ITサービスにおけるサービスの設計及び移行は、新規サービスや変更をする際に計画を立てて、設計、構築をするプロセスです。
本書は、サービスの設計及び移行の活動内容について説明をします。
サービスの設計及び移行の活動内容
サービスの設計及び移行は①計画、②設計、③構築及び移行の3つに分けられます。

①計画
計画フェーズでは次のことを決めて、計画書に書き記します。
活動における権限、責任
設計や構築における活動における権限・責任を明確に決定し、文書化します。

割り当てられた期間で実施する活動
期間内に実施するタスクを洗い出し、担当と期間を決めます。

人,技術,情報,及び財務に関する資源
人,技術,情報,及び財務に関する資源を明らかにしておきます。
■例:
- 人材・・・開発部門から会計システム経験者が設計、構築をする。
- 技術・・・現行システムに合わせて、AWS上の環境で開発をする。
- 情報・・・移行時に必要なデータは○○部門で管理しているExcelファイルを使用する。
- 財務・・・開発用に確保している予算で行う。
他のサービスへの依存関係
影響する他のサービスとの依存関係を明らかにしておきます。
■例:
- 新しいサービスは、社内のユーザー管理システムから○○情報を移行する必要があります。
事前にユーザー管理システムへは説明をしており、技術的課題がないことを確認済みです。
設計、移行の際にユーザー管理システムとレビューを行います。 - 社内の○○システムへAPIで連携をするため、運用開始前に○○システム側で設定の実施を調整済みです。
新規サービス又はサービス変更のために必要な試験
主に各テストフェーズ、移行(リリース)作業ではリハーサルを実施する旨を決めます。
■例:
- 変更による影響範囲のテスト
目的:変更によって既存機能が不具合を起こさないことを確認する。
内容:結合テストで、今回の変更における他機能への影響を調べる回帰テストを実施。 - ユーザ受け入れ試験
目的:ユーザー視点での最終確認を行い、サービス開始の判断材料とする。
内容:検証環境で新サービスを実際に操作し、業務要件を満たしているかの確認を行う。 - パフォーマンステスト
目的:実稼働環境での性能要件を満たすかを確かめる。
内容:新サービスを提供するインフラ(サーバーやネットワーク)が、ピーク時にも応答遅延なく稼働するかを負荷試験で確認。
サービス受入れ基準
新しいサービスやサービス変更が組織の要件を満たしているかどうかを確認するための基準を決めます。
■例:
- SLAで定めた内容を満たしていること
- 全てのテストに合格していること
- 全ての成果物が完成され、承認されていること
測定可能な条件で表現された,新規サービス又はサービス変更の提供による意図した成果
新しいサービスや変更によって、どんな成果を出したいのかを、数値などで測れる形で定めます。
■例:
業務処理時間を20%削減。
処理時間を平均30分から24分以内に短縮。
顧客満足度調査で80%以上の「満足」評価を得る。
年間サーバー維持費を1,000万円から700万円へ削減。
月間障害発生回数を5件未満に抑える。
SMS,他のサービス,計画された変更,顧客,利用者及び他の利害関係者に対する影響
新しいサービスや変更によって、影響を受けるあらゆる対象に対して事前に配慮・評価を行います。
■例:
- 変更により画面の操作方法が変わる
内容:○○画面の登録手順が変わる。
対応:マニュアルを更新して、リリース前にアナウンスする。 - 計画された変更への影響
内容:リリース日が定期的に実施しているシステムメンテナンス日と重なっている。
対応:運用部門と調整する。
②設計
サービスの設計をして文書化します。
- 関係者の権限
- 技術、情報、及び財務に関する資源の変更に対する要求事項
技術リソースの変更の例・・・サーバ更新の場合、運用テストや運用手順書の作成など - 適切な教育,訓練及び経験に対する要求事項
トレーニングなど必要な事項 - 新規SLA又はSLAの変更,サービスを支援する契約書,及び他の合意文書
- 新規又は変更された方針,計画,プロセス,手順,尺度及び知識を含む,SMSの変更
- 他のサービスへの影響
- サービスカタログの更新
③構築及び移行
設計に基づいて開発や構築をします。
まとめ
- サービスの設計及び移行は①計画、②設計、③構築及び移行の3つ。
- 計画フェーズは、活動における権限・責任、期間、活動内容、資源、他サービスへの影響、受け入れ基準、成果を定義する。


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