基本情報技術者試験対策として、ネットワーク層の役割、IP(Internet Protocol)、IPアドレス、IPv4・IPv6、サブネットマスク、CIDR、ルーティング、ルータの役割を初心者向けに図解で分かりやすく解説します。
なお、本書は基数(2進数や10進数)の知識を習得していることを前提に解説しています。
ネットワーク層とは
ネットワーク層は、データを送りたい相手まで届ける役割を担当する層です。

ネットワーク層とは何か
ネットワーク層は、データリンク層で接続されているネットワーク同士を相互に接続して、異なるネットワーク間での通信を可能にします。

ネットワーク層で利用されるプロトコル
ネットワーク層で利用されるプロトコルは主にIP、ICMP、ARPがあります。
IP
IPは、データに宛先となるIPアドレスを付け、ルータがその情報を基に転送を繰り返すことで、最終的に目的地へ届けます。
詳細な説明は次章を参照してください。
ICMP
通信中に問題が発生した場合はICMPがエラー内容を通知します。
例えば、pingコマンドで通信相手へ到達できるかを確認できるのもICMPの仕組みを利用しているためです。
ARP
IPアドレスからMACアドレスを調べるプロトコルです。

IP(Internet Protocol)とは
IPは、IPアドレスという住所を利用してデータの送り先を指定し、目的地まで転送します。
基本情報技術者試験では、IPそのものだけでなく、IPアドレスやルーティング、IPv6なども頻出です。まずは、「IPはデータを届けるためのルール」であることを理解しましょう。
IPの役割
IPには、主に次の3つの役割があります。
- IPアドレスを利用して通信相手を識別する
- データ(パケット)を目的地まで転送する
- ルータを経由して最適な経路へ転送する

「パケット」は「IPデータグラム」と呼ぶこともあります。
パケットはどのように届くのか
IPでは、送信するデータをパケットという小さな単位に分割して通信しますが、それぞれのパケットには、送信元IPアドレスと宛先IPアドレスが付与されています。

なお、同じLAN内へデータを送る場合は、IPアドレスだけでは通信できません。
実際には、IPアドレスに対応するMACアドレスをARPで調べてから通信します。
IPアドレスとは
IPアドレスは、ネットワーク上の機器を識別するための住所で
IPアドレスとは何か
IPアドレスとは、ネットワークに接続された機器に割り当てられる識別番号です。
インターネット上では、同じ住所が存在すると郵便物が正しく届かないように、同じネットワーク内で同じIPアドレスを使用することはできません。
IPv4アドレス
IPv4(Internet Protocol Version 4)は、現在でも広く利用されているIPアドレスの規格です。
IPv4では、32ビットの数字を8ビットずつ4つに区切り、10進数で表します。

IPv4では約43億個(2³²個)のIPアドレスを利用できます。
ネットワーク部とホスト部
IPアドレスにはネットワーク部とホスト部があります。
- ネットワーク部:どのネットワークに属しているかを表す
- ホスト部:ネットワーク内のどの機器かを表す

ネットワーク部とホスト部の境界は、サブネットマスクによって決まります。詳しくは後ほど解説します。
IPv6アドレス
IPv6(Internet Protocol Version 6)は、IPv4のアドレス不足を解決するために開発された新しいIPアドレスの規格です。
IPv6では、128ビットのアドレスを使用します。
IPv6アドレスの例:2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334
サブネットマスクとは
サブネットマスクは、IPアドレスのどこまでがネットワーク部で、どこからがホスト部なのかを区別するための情報です。
前の章でも説明したとおり、IPアドレスは「ネットワーク部」と「ホスト部」の2つに分かれていますが、IPアドレスだけを見ても、どこまでがネットワーク部なのかは分かりません。
そこで利用されるのがサブネットマスクです。
サブネットマスクの役割
サブネットマスクの役割は、IPアドレスをネットワーク部とホスト部に分けることです。
先ほどの「192.168.0.1」を例に説明します。

2進数にすると次のようになります。

サブネットマスク1の部分である「192.168.1」 がネットワーク部を表す部分、10 がそのホスト部(ネットワーク内の機器)を表しています。
CIDRとは
CIDR(Classless Inter-Domain Routing)は、サブネットマスクを短く表す方法です。
前章の例でサブネットマスクは
255.255.255.0
のように表記しますが、CIDRでは
/24
と表します。
下の例は、IPアドレス:192.168.1.10、サブネットマスク:255.255.255.0と同じ意味になります。
192.168.1.10/24
ルーティングとは
ルーティングとは、データ(パケット)を目的地まで届けるために、最適な経路を選択して転送する仕組みです。
インターネットでは、送信元と宛先が直接つながっているとは限りません。
多くの場合、データは複数のルータを経由しながら目的地へ届けられます。

ルータの役割
ルータは、異なるネットワーク同士を接続し、データを適切な経路へ転送するネットワーク機器です。
例えば、自宅ではパソコンやスマートフォンなど複数の機器がWi-Fiルータに接続されています。このルータは、自宅のネットワークとインターネットをつなぐ役割を担っています。
ルータの主な役割について説明します。
宛先IPアドレスを確認して転送
宛先のIPアドレスを確認してデータを転送します。
下の図のようにデータには宛先MACアドレスもありますが、この宛先MACアドレスは現在のネットワークの範囲でMACアドレスを示しています。

最適な経路を選択する(ルーティング)
インターネットは複数の経路がありますが、ルータは最適な経路を選んでデータを転送します。

異なるネットワーク同士を接続する
ルータは家のネットワークや会社のネットワークなど、ネットワーク同士を繋ぎます。

デフォルトゲートウェイとは
デフォルトゲートウェイとは、家や会社の中のネットワーク(LAN)からインターネットなどの外部ネットワークへデータを送る際の「出入り口(玄関)となる機器やそのIPアドレスです。
デフォルトゲートウェイは一般的にはルーターを指します。
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