AI(人工知能)の基礎に必要な用語の説明、AIで使用される技術の概要説明をします。
情報処理技術者試験やG検定に出てくる基本的な内容となっています。
AI(人工知能)とは
実はAI(人工知能)には厳密に統一された定義はありません。
一般的には、人間の知的活動をコンピュータで実現しようとする技術や研究分野の総称を指します。
その中には、ゲーム対戦に用いられる探索や推論、ロボティクス、画像や映像認識、自然言語処理、機械学習などが含まれます。

AIの歴史を見てみると、分野が広いことが分かります。
| 歴史 | 説明 |
|---|---|
| 第1次AIブーム:推論・探索(1950年代後半〜1970年代前半) | 将棋・チェスの初期プログラム、パズル解決(迷路、チェスなど) |
| 第2次AIブーム:エキスパートシステム(1980年代) | 医療診断システム、故障診断システムなど専門分野で利用 |
| 第3次AIブーム:機械学習(2010年代〜現在) | 機械学習、画像認識・音声認識、自動運転、ChatGPT などの生成AI |
用語
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| AI(人工知能) | 人のように学習、推論、問題解決、意思決定をするシステム。 |
| AI効果 | AIが進化することにより、その技術が「もうAIではない」と見なされる現象。 普及して当たり前になるとAIと認識されなくなる。 |
| エージェント | 目的達成のために自律的に行動するシステムのこと。 例:自動運転やNPCなど |
| 機械学習 | コンピュータがデータを使って「学習」し、プログラムされたルールに従わなくても、自分でパターンや規則を発見して予測や判断を行う技術。 |
| ディープラーニング | ディープラーニングは「ニューラルネットワーク」という仕組みを使う機械学習。 ディープラーニングは、機械学習の一種だが、より深い学習をするための方法。 |
| ニューラルネットワーク | 人工知能(AI)や機械学習の分野で広く使用される、情報処理のモデルの一つ。 人間の脳の働きにヒントを得て作られており、複雑なデータを学習して予測などをする。 |
| チューリングテスト | 人工知能が人間と区別できないほど自然に会話できるかを判断するテスト。 |
AIによる問題や課題に関する用語
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| シンギュラリティ | AIが人間の知能を超えること。 これによって人間の仕事や役割が変わったり、AIに支配される恐れがあるという危惧もある。 |
| シンボルグラウンディング | AIがシンボルや言葉を、実世界の物事や経験と結びつけできない問題。 (AIが人間のように連想をできない) |
| 身体性の問題 | 人間は物理的な身体がありそこから得られる効果などがあるが、AIには身体がないので得られないものがあるという課題。 |
| トイ・プロブレム | トイ・プロブレムとは迷路やオセロゲームなど、ルールと目的が決まっている問題のことで、これであればAIは解ける。 しかし、現実世界はトイ・プロブレムのように単純にはいかないかず、AIで解くのは難しいと言われていた。 |
| フレーム問題 | AIが現実世界で起きうる全ての状況を想定して対処できない問題です。 AIは何が重要で何が無関係かを判断できず、無限の可能性を計算しようとして処理不能に陥るのです。 (例:電話をかける際、電話機が存在するか、受話器が壊れていないか等、無数の前提条件を計算し続ける。) |
機械翻訳
従来は機械翻訳が主流でしたが、今はニューラル機械翻訳が主流となっています。
| 名称 | 説明 |
|---|---|
| ルールベース機械翻訳(RMT) | 文法などの規則を予め作成しておき、その規則に従って翻訳をする。 文法や構造が異なる場合、ルールを一から準備する必要があり、労力がかかる。 |
| 統計的機械翻訳(SMT) | 大量の対訳データから統計的にパターンを学習し、より自然で柔軟な翻訳が可能。 今後はNMTに置き換わる。 |
| ニューラル機械翻訳(NMT) | 上のSMTは翻訳元と翻訳先の言語の間の確率的な関係を利用して翻訳を行うが、NMTは、ニューラルネットワーク(特にディープラーニング)を使用して翻訳を行う。 |
ゲーム推論
最近のゲームAI技術では、深層学習(ディープラーニング)を利用した手法が台頭しています。
例えば、AlphaGoやAlphaZeroは、伝統的なゲーム木探索に加えて、強化学習を用いて自分で学習して最適な戦略を見つけるアプローチを取っています。
ミニマックス法
ミニマックス法は、主に二人零和ゲーム(例えば、チェスやオセロなど)の最適戦略を求めるアルゴリズムです。
この方法では、プレイヤーが最善の手を選ぶことを前提に、相手の最善の手をも考慮しながら最適な戦略を決定します。
- ミニマックス法では、ゲームのすべての可能な手をシミュレーションし、ゲームツリーを構築します。
- プレイヤー1(Maximizer)は最大化を目指し、自分に有利な手を選びます。
- プレイヤー2(Minimizer)は最小化を目指し、相手の得点を減らすように動きます。
- それぞれの手を評価し、最も有利な選択肢を選ぶことで、最終的に最適な戦略を導きます。
アルファ・ベータ法
ミニマックス法を最適化する手法の一つです。
ゲームツリーを探索する際に不要な分岐を切り捨て、計算量を減らすことができます。
知識表現
AIにおける知識表現は、AIシステムが人間のように世界の情報や知識を理解し、推論できるようにします。
- オントロジー
親子関係や部分と全体の関係などを明示化します。
例えば、「犬」は「動物」の一種であるという階層的な関係を示すことができる。 - プロダクションルール
「もし~ならば~」という形式で知識を表現し、このルールに基づいて推論を行う。
エキスパートシステム
エキスパートシステムとは、知識ベースを使って、専門家のように推論をすることです。
特定の専門分野における専門知識を使い、「知識ベース」と「推論エンジン」を使って、問題解決や意思決定ができるようにしたAIシステムです。
エキスパートシステムは医療など専門分野で使用されています。

データ化を行う際、IF-THENルールなど特定の形式に落とし込むためにも、言葉で明確化されている必要があります。
エキスパートシステムは、第2次AIブームで注目されていましたが、高度な知識の場合はコストがかかったり、知識同士の矛盾が生じるなどでの理由から、ブームは去ったと言われています。
機械学習
先ほどのエキスパートシステムは人が知識を構築するのですが、機械学習は人に細かく指示されなくても、機械が大量のデータをもとに学んで賢くなる仕組みとなっています。
機械学習やニューラルネットワークの説明については別の「機械学習の基礎」を参照してください。


コメント